恋する猫は、月の下~母さんの昔話~

「えっと…なんか毎日がお祭りっぽいというか…嬉しそうというか…」

「…」

清汰は今度は何も答えず、黙ったままリクの話を聞いています。

リクはだんだん不安になりました。

「みんな…歌をうたったり、体が軽くなったみたいにお仕事を楽しんでいて…

あのぅ…何かいいことでもあったのでしょうか…?」


それでも、なんとか聞きたいことを言い終えたリクが、うつむいた清汰の顔をのぞきこむと


清汰は「そうか」とだけつぶやきました。