「………」

一見したら弱々しく、つい先程まで大人しかった少年が、キッとハンターを睨んだ。

「お………」

その、少年の意外な迫力は、ハンターの言葉を詰まらせ、ギルド内の空気もまた緊迫感のあるものに変えていった。

「ふ、ふん!
勝手にしな!
坊やが飛竜に挑んでも、すぐにおっ死んじまうのが関の山さ」

視線を逸らし、ハンターは少年から離れ、仲間の元へと歩いて行った。

「………なんだったんだ?」

少年は小首を傾げた後、まぁいいや、と一人呟き、気を取り直して受付嬢の方に向き直った。

「ねぇ」
「ひゃいっ!?」

「?」

「あ、ご、ごめんなさい
なんかビックリしちゃって」

「そう?驚かしちゃってゴメンね」

「あ、い、いえ、いいんです
こっちが勝手に驚いただけですから
えと…それで、どういったご用件でしょうか?」

「うん、さっき言ったと思うけど…」

「あ、そ、そうでしたね、すいません
…え〜っとですね、クエストを受けたいのでしたら、まずは、ギルドに登録をして頂かないといけないんです」

「登録?」

「はい、こちらが登録用紙になります、必要事項を記入して提出して下さいね」

「あ、俺ペン…」
「はい、これどうぞ」

「お、ありがとう」