【音爆弾】というアイテムがある。
モンスターの【鳴き袋】と【爆薬】を調合して作られる手投げ弾で、投げ放つとキン!と高音を立てて爆発するという代物だ。
用途は様々存在するが、このアイテムの究極的な目的は……“モンスターに攻撃するチャンスを増やす”、これだ。
ヒューズが撃ち放った弾丸は、【LV1徹甲榴弾】。
着弾後、中に入っている火薬が爆発し、大きな震動を起こす弾丸だ。
その爆発の震動は、【音爆弾】と同じ効果をモンスターにもたらす。
本来は“怒り状態時の『イャンクック』”には【音爆弾】や【徹甲榴弾】は通用しない。
だが、ヒューズが放った【LV1徹甲榴弾】は二発、その二発の【徹甲榴弾】を同時に左右の耳元で爆発させることにより、ステレオ効果をひき起こす。
そうすることによって、通常よりも遥かに大きな揺れを、“怒り状態時の『イャンクック』”にも通用する大きな震動を与えることができるのだ。
耳から脳を揺さ振られ、ふらふらとおぼつかない足元で、立ったまま怪鳥は気絶する。
「今だっ!ニトロっ!!
やれぇっ!!!」
「っ!」
ヒューズの言葉を聞き、ニトロの目に力が宿る、大剣の柄を握る手に力が入る。
一度深く息を吸い込み、足幅を広げ、重心を深く深く深く落とす。
その態勢は、少年が自分の出し得る最大の一撃を放つ為の準備だった。

