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「おお、いい感じじゃん」

「うん、お兄さんカッコイイよ」

――30分後、頭以外の全身に防具を着けたニトロの姿がそこにあった。

《ハンターシリーズ》、オーソドックスな鎧らしい鎧の外見で、腰には【ファンゴの皮】でできた腰布が巻かれている。

そして【鉄鉱石】でできたその装甲は、市販の防具の中では、高い防御力を誇る一品だ。

「経験0の新米ハンターにゃ本来は売れねぇ代物なんだがな……
ヒューズの頼みだからな、特別にこさえてやった」

「ありがとう、親父さん」

「フン、なに、構わねぇよ
で、着心地はどうだ、少年」

「ん……」

熊親父の質問を受け、ニトロは色々と身体を動かし、確認する。

「すげぇフィットするよ!
全然いつも通り動けそうだ!
ありがとう!」

「ヘッ、ま、当然だな」

言葉とは裏腹に、鼻の下を擦り、やや照れた態度を取る熊親父。

その姿を見て、ニヤリとヒューズが笑う。

「ま、これで防御は少しはマシになったろう
次は買い出し行くぞ」

「買い出し?」

「ああそうだ
【回復薬】や【研石】、どうせロクに持っちゃいねぇんだろう?」

クイクイと親指を店の出口の方へ向け先を急ぐヒューズに、慌ててついて行く。

「ちょっと待った!」

そんな二人を、熊親父が呼び止めた。