「俺は、リオだ。」 「そう、リオ…ね」 ソファーに座った彼女の前の椅子に腰かけ俺は2人分のマグカップを置いた。 聞きたいことは山ほどある。 「ユキ。お前さ何で俺の名前知ってたの?」 ユキは寝言で俺の名を呼んだ。 そして、目を覚ましてからも俺の顔を見て確かにそう言った。 「それは……」 ユキは一度黙った。 しーんと、静けさだけが残る。