12月のニューヨーク


私はレンガ造りの
大きな暖炉の前でガウンにくるまり
由香ちゃんの淹れてくれた
紅茶を一口飲んだ



「あー沁みる…。」


ぽそりとつぶやくと
近くに控えていた由香ちゃんが
マカロンの乗ったトレーを
サイドテーブルに置いた


「そう言っていただけると光栄です。
ニューヨークの冬は冷えます。

どうか
体調にはお気を付けください。」



旧華族で皇族ともつながりのある
萩乃宮家


世界有数の大企業
大財閥

その次期当主
萩乃宮大和さんの
プロポーズを受けて数日後

私は初めての社交界デビューの為
ニューヨークに来ていた