[短]ソライロ


「何が?」



「哲輝は、
先の見えない未来を歩けて。」



「はぁ?」



「私には、先の見える未来しかない…。」



哲輝は弱音を吐く私を見て少し呆れ返っていた。

でも、すぐに少し怒り気味になり


「何言ってんねん!」



哲輝に少し驚いたけど、
すぐ元に戻りまた天井を見つめた



「私…目が覚めると、いつも不安…」


「へっ?」


「違う世界を見ているんじゃないかって…」


「違う…世界?」



「哲輝がいない世界じゃないのかって…」



私には涙が溢れて来た。