[短]ソライロ



「…なぁ?」

静まり返った病室に始めに喋りだしたのは哲輝だった。


私は、いきなりだったから少し驚いた。


「…ん?!」

「お前、夏祭りの時…
俺に別れ話しようとしたやろ?」


「えっ…」


哲輝はずっと下を向いたままだ


「なんで…?」
私は少し間をあけて続けた


「…お母さんから、私の事全部聞いた?」


その言葉にやっと顔を私に向けた


「全部?」


「そう…病名とか…」


でもまた下を向いてしまった。


「あぁ…」


私は何度も下に視線を落とす
哲輝を見ていて辛くかった




少しため息をつきながら病室の窓から空を見上げた