嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-



―――ドクン。


過去の記憶が鮮明に蘇ると共に嫌な鼓動が強く打たれる


あれは忘れもしない誕生日の日。蓮也が他の女性といる所を偶然見かけてしまった


あの時は本当に頭が真っ白になって…本当につらくて…沢山泣いたっけ


もし…もし…同じ様な光景に出会したら…私、立ち直れないかもしれない


立ち直る自信ない…










やっぱり家で待とう


引き替えそうとした矢先


噴水のある広場の先で、一番見たくない光景が視界に映り、ドクンと再び強く鼓動が打たれた。