「待って!里桜ちゃん!」
女性の声に少なくとも耳を傾ける気はあるのか、里桜は女性に背を向けたままの状態で足を止めた
「…貴女と離れてから…毎日辛くて……貴女を忘れた事は一度もなかった…」
「…ごめんなさい。そんな風に言われても、実感湧かなくて…よく…わかりません」
「そうよね。あの…もし良かったら……此処へ電話をくれないかしら。勿論、無理にとは言わないです…出来ればで大丈夫だから…」
母親と名乗る女性は、携帯番号を綴ったメモ用紙を里桜へと差し出す
里桜は直ぐには受け取らず、少ししてからそれを受け取った。

