「……貴女の産みの母です」 「………え」 産みの母? 里桜の母親は他界してるが…産みの母親と言われ即座に否定出来ない程、似てるのも事実だな 里桜は瞬きさえせず、女性をじっと見つめたまま口を閉ざしてしまった 言葉が見つからないか 「急に出て来てごめんなさい。信じて貰えないのは重々承知しています…」 「私の両親は……今はもうこの世にいません」 「知ってます。親戚の方から連絡を貰ったから…」 里桜は返事に困る中、俺の手を握ったままこの場から逃げる様に足早に歩き始めた。