嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-



「あ、あの!」



その時


明らか挙動不審なその女性が声を掛けて来た



「ん?」


「…あの……えっと………里桜ちゃん?」


「…そうですけど…どなたでしょうか?」


「やっぱり里桜ちゃんだったのね。とっても綺麗になって…」



その女性はわざとか否か、里桜の質問には答えず何処か切なさの残る表情で微笑んでいる


やはり知り合いか?



「あの…すみません、私の知り合いでしょうか?」



里桜は目を丸くさせ不思議そうに問い掛けると、その女性からは思いもよらぬ返事が返って来た。