嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-



里桜は放心状態のままお袋達が出てった玄関を見ている



「驚かせて悪かったな」


「ううん、気さくなお母さんだね。それにとっても若い」


「十六ん時に俺を生んでるからな」


「若いっ!そうなんだ。感じの良いお母さんとお父さんだね」


「どうだろうな」



里桜が遠目で玄関を見つめる。母親を思い出したか?


お前は早くに両親を亡くしてるからな…寂しくなったか



「里桜、式場探し行くぞ」


「…え?」



俺は寝室に入り着替えると里桜の手を取り、部屋を後にした。