嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-



「ねぇ蓮也」


「何だ?」


「ずーっと一緒にいようね」



蓮也の腕にこてんと頭を凭れかけさせ、正面の夜景を見つめながら口を開いた


きっと蓮也は“当たり前だ”って言うと思う。婚約したのだから当たり前なんだけど、当たり前じゃない気がするんだ私


だって、こうして二人仲良くいられるのって奇跡だと思うから。だから、今を大切に精一杯生きて行きたいし、精一杯の愛情を貴方に伝えて行きたいの


ねぇ蓮也。こうして生きてる事が奇跡だって事は、貴方が一番よく知ってるでしょう?