嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-



歩いて直ぐスーパーの看板が見えて来た所で、背後に違和感を感じる


背後へと顔を振り向かせるとそこには黒いスーツを身に纏いサングラスをかけて同じ歩幅で歩く男がいる


サングラスを掛けているから、何処を見ているのか分からなくて目のやり場に困った為に視線をまた前に戻す


自然と足早になってしまう事を自覚する中、スーパーの入り口に着くと急ぎ足で中へと入った


買い物篭を手に背後を振り返ると、男の姿はなく、自意識過剰な自分を反省した


適当に惣菜を買い、再びスーパーから出た途端、血の気が引く様なぞっとした寒気に襲われる。