「ねぇ蓮也…本当に現役やめちゃって良いの…?結婚出来る事は嬉しいけど…でも、蓮也が犠牲になるなら今しなくても大丈夫だよ」


「俺がお前と一緒になりたいって言ってんだろーが。お前はしたくないのか?」


「結婚したい。結婚して、素敵な家庭を築きたい。蓮也じゃなきゃダメだもの…」


「なら、余計な事を考えるな。俺は俺の意思で現役を引退する事に決めただけの事。お前は俺に着いてくれば良い」


「…蓮也」


「とか偉そうな事言ってはみたが、亭主関白ではないからな」



蓮也は小さく笑みを浮かべながら膝の上で重ねていた私の手をぎゅっと握り締めた。