車体との差、ギリギリを走る
バイク。

歩道から車道に降りた自転車
が行き場を塞ぐ。

私は、ソラの腹部に腕を回し
必死にしがみ付き、ソラの肩
に頬を押し当てて瞳を閉じた。

早く、着いて・・・

「ユラ、着いたぞ
 思ったより早かっただろ?」

「う、うん」

開店準備の時間を数分過ぎた
だけで、何とかお店には間に
合った。

「テオがいる間は、この手が
 あるな」

「うん、でも・・・」

ソラは、私のヘルメットを
外してくれた。

「ありがとう」

「でも?」

「もう、二度と
 乗りたくないかも・・・」