辺りを見渡してる、湊さん。

「はい、お姉ちゃん達と一緒
 だったんですけど・・・」

店内に入ることなく、ドアの前
で話している三人。

「何だぁ、そうなの、残念」

その時、道路に一台の車が停る

「ホサカちゃん・・・」

その時、奥さんが、湊さんに
こっそりと小声で話す。

「あっ、そうか、もう
 ホサカちゃんじゃないね

 君は、カギタニさん?」

「えっ、あっ、はい」

その呼び名に、まだ慣れずに
戸惑う私を見つめて、湊さんと
奥さんは、にっこりと微笑む。

「じゃあ、これからは
 ユラちゃんでいこう
 
 ユラちゃん、おめでとう」

「ありがとうございます」

「そうだ、結婚のお祝い
 何がいい?」

「えっ・・・?」

「ミナト
 決まってるだろう?
 
 ご祝儀、弾めよ」

その声は、ソラ。

ソラは私の手を取る。