指に填めていれば無くさない。

咲の言葉を思い出し、ソラから
こうして指輪を預かる事が習慣
になる。

二人の間に決めごとがこれから
いっぱい、いっぱい増えてゆく

私たちだけの世界でのルール。

誰も知らない、二人だけの掟。

あの合図みたいに・・・

二人だけしか知らない。

「はあ・・・」

会場へ真澄と一緒に向う私の
足取りは、少し重い。

「ヒワ、何、気にしてんだよ
 
 おまえが会いたいって
 言ったんだろう
 
 テオ、彼だって本気なのか
 ソラの事?
 
 あの時だって、おまえに
 キスしてたじゃん」

「あれは、何でもないよ

 私が泣いたりしたから・・」