こうして、私は、ソラとも
テオさんとも離れて姉の家で
暮らす日々を送る。

探しても、ソラの体温のない
残り香のしない、この場所で
なかなか寝つけずに、何ども
寝返りを打ち

夜が白み始める頃

夜のほどろ(夜明け)

を眺めていたのは、最初だけ

今は・・・

「ヒワ、起きなさい
 朝だよ」

カーテンを開く音。

「お姉ちゃんがいると
 自分で起きなくて
 いいから、ほんと助かる」

「何それ
 
 早く起きて朝ごはん
 食べなさい」

「朝ごはんまで用意されてる
 なんて、昔よりも高待遇」

「昔は、全部
 ヒワの役目だったもんね」