白緑蝶"ever since【続】

ソラを見下ろして立つ私の
視線は、ソラのジャケットの
襟元を見つめた。

「ねえ、ソラ
 
 長い髪、ずっと
 ジャケットの中に
 隠れてるよ

 隠してるの?」

長髪の貴方は、私の知らない
貴方だから隠すの。

きっと、卯月さんを愛してた
頃の貴方だから隠すのね。

「隠してなんかねえよ
 
 前に垂れて邪魔なだけ・・」

貴方はディナーの後のコーヒ
を飲む。

「そう・・・

 そうだ、髪、伸ばせば?
 
 今も襟足は肩下まで
 あるんだし、そのまま
 伸ばせば一年ぐらいで
 けっこう伸びるよ」

「伸ばす?
 考えたことねえな
 
 それより、ヒワもそれ
 開けて」

「うん」