できあがったばかりの音楽を
聞いた監督と紅莉は、その
クオリティーの高さに大満足

拍手の音。

「すばらしい

 私は、この曲で大満足
 だが・・・
 
 そうだ、作曲の手助けに
 なればいいと最近撮った
 ばかりの映像を少しだけ
 お見せしたい」

無音のまま、スライドの
ように撮影した風景が画面
に映る。

そこに映し出される、女性。

ヒロインを演じる紅莉の後姿。

そこには、はだけた着物から
覗く、白く華奢な背中が映る

その透けるように白い背

俺は、知っている。

その背には、白い羽が眠る。

その背に、キスをひとつ

ふたつ、みっつ・・・

「ユラ・・・」