「とにかく、そうした私は、ITを武器に、会社をつくり、仕事をしてきました。

 でも、最近は、このITに振り回されて、自分が奴隷のようになっているのでは?

 と不安のように思えることがよくあるんです。

 だから、砂場先生になんとかしてほしいんです。」

砂場の目をみつめて、すがるように言ったレイコだったが、その時、突然に携帯のアラームがなり、時刻が16:30であることが知らされると、

「では、よろしくお願いします。
 次のカウンセリングの日時の候補日は、名刺に書かれたメール宛にお送り下さい。

 では、よろしくお願いします。さようなら。」

とだけ言って、そそくさと席を立ち、ドアを開けて帰って行った。