赤色巨星

階下から、甲冑を着けた人の足音が聞こえてきた。
部屋の中に全身プラチナムでできた鎧兜の者が入ってきた。
剣まで持っている。

あきれた。

「どう?」

兜をとると上気したqの顔が出てきた。
こいつは着道楽か。

さて、どうしたものかな。

「脱げ。返してこい。」

「なんで?サダクローは今お大尽でしょ?いいじゃんこのくらい。」

「お前は戦士でもなんでもないだろう。こんなものは必要ない。」

「必要あるよ。美意識ってやつさ」

力いっぱい奴を平手打ちにした。
以前なら拳で殴っていたところだが。
qがふっとぶ。

「なにすんだよ」

qが泣き出した。

「いいから、まずそれを脱げ。」

静かな声で言う。
俺はプラチナムの鎧を無理やり剥ぎ取った。

「やめろよ、やめろよ。」

qは声を上げて涙を流しながら俺をつかんで揺さぶる。
鎧を床に投げると、俺は自分でも意外な行動に出た。

qを思いっきり抱きしめたのだ。

暴れていたqが、おとなしくなる。
鼻をすすり、むせるように泣いていた。

しばらくの間、そうしていた。

少し眠たくなるような、あたたかな感情につつまれた。




そんなことがあってからは、家の中に金を置くのをやめた。
qには定期的に決まった額を渡し、自分で管理させた。
金をせびられても絶対それ以外には渡さなかった。

殴り合いのけんかもしょっちゅうだった。
あまりに日常茶飯事になり、
以前自分が暴力をふるったときに感じていた自己嫌悪も感じなくなった。

そのころになると、qもあまり泣きわめかなくなった。
結果、俺が手をあげることも減っていった。

身の回りのことが何もできなかったqが、
いつのまにかいろいろなことがきちんとできるようになった。