「なんで俺を置き去りにしたんだよ!!」

qが俺の顔面を殴った。
qにしては意外と重い拳で、後ろにあとずさった。

「おっと。顔には手を出さないでくれるか。
いまや商売道具なんでね。」

かまわずqが殴りつけてくる。
俺は必死で顔をかばった。
青タンを作って客前に出るわけに行かない。

「冗談じゃねえぜ。手を出すなと言ってんだろうが!」

qのむなぐらをつかみ、利き手で、思いっきり拳を作って、
qの頬を数発殴りつける。

俺の脳内に快楽が突き刺さる。

それから後は情動にまかせてqを、殴り、蹴り、
散々に痛めつけた。

もう自己嫌悪もなにもなかった。

qが床に転がって動かなくなった。

殺してしまったか?

俺はその場に座り込んだ。
自分の感情が静まるのを待った。

qの指先がぴくりと動いた。

俺はqの傍らに寄った。
qは半分潰れた眼で俺を見た。

qの顔。
女性のような美しい顔。
今は、ボコボコに腫れ上がっていた。

「俺はサダクローが好きなんだよ。
そばにいさせて。」

「うん」

qがつらそうに身体を起こした。
くちづけをされた。