「ねぇ、でもちょうどその引っ越しの話を聞いたころに私がフォトアルバムを見つけて、釘を差したのよね? もう二度と一緒に散歩したりしないって約束してくれたのは、嘘だったの?」
「いや。想い出作りへの協力は約束してしまったものの、友里にそう言われた以上、もう散歩はしないつもりだった。彼女が引っ越すまで、道で偶然会わないように気をつけようと思ってた」
だけど、彼女の包囲網は、そう簡単に彼を逃さなかった。
どんなに散歩ルートや時間を変えても、なぜか遭遇してしまう。
いっそのことシェリーの散歩自体をやめようかとも思ったものの、老夫婦から
「私たちだと短い散歩しかできないから、週末に翔さんが長い散歩に連れて行ってくれるのをシェリーも喜んでいると思うわ」
そう言われると、やはりそれも断れなかったのだという。


