「父親が友達の借金の保証人に……って、ちょっと、そんなベタな話、信じたの? そんなの、同情を引くための作り話に決まってるじゃない!」
そう叫びながら、デジャヴを感じていた。
あれ、このシチュエーションは、なんだかどこかで体験したような……
次の瞬間、思いだした。
サトシだ!
「お父さんが失踪して、病気の弟のために手術代を稼がないといけない」というキャバ嬢の作り話を信じ込んでいたサトシに言ったのと同じことを、私は口にしたんだ!
……結局私は、かつてのサトシと正反対の人を選んだようでいて、実のところはとてもよく似た人を選んでいたというわけか。
「あっ!」
もう一つ、思いあたったことがあった。
翔さんの親友から言われたあのセリフ。
「翔は、気の毒で幸薄そうな女に弱いんだ」
あれは、まさにこのことか!
確かに、高校時代からずっと引きこもりのニートで、友達もいなくて、折れそうなほど痩せているあの人は、これ以上ないくらい幸薄そう!


