カーペットに座り込み、誰もいない机を見つめる。

多忙な彼は仕事を家に持ち帰ることも多く、よく書斎で机に向かっていた。

そんなとき、私はよくここにクッションを持ち込んで座り込み、本を読んだり、コーヒーを飲んだりしていたのだ。

そして、彼の背中を眺めたりしていたのだ。

彼の広い背中は頼もしくて。

仕事に向かう真摯な姿勢が誇らしくて。

彼と歩む未来に一点の曇りもないと信じていたあのころの自分が――ひどく滑稽に思えた。

私が築いたと思っていた幸せは、いともたやすく崩れ去るものだったのに。