その週末、谷本先生と結衣子さん、それから美波ちゃんが、再び我が家へ訪れていた。

メールも電話もつながらなくなった私のことを、心配して訪ねてきてくれたのだ。

「返信しなくてごめんなさい。電話も……誰とも話す気になれなかったので」

ソファに深く身を沈めてうつむく私の前で身をかがめ、結衣子さんが私の右肩に静かに手を置いた。

「話したくないなら話さなくてもいいわ。でも、もし力になれることがあるなら相談に乗りたいの。話せるようになったときに、話してね」

谷本先生も、対面のソファから立ち上がると私に近寄り、身をかがめて私の左肩に手を置いた。

「俺たちはいつでも友里ちゃんの味方だから。それだけは忘れるなよ」

二人の言葉と、両肩から伝わるぬくもりに、視界が急速に滲んでゆく。

濡れていく頬を、結衣子さんがハンカチで拭いてくれた。