「あなたの愛を感じて、私は日々幸せです。あなたの好きな生ハムのサンドイッチを持って、また一緒にピクニックに行きましょう」
そんな文章から始まるそのノートには、ぎっしりと彼への想いがしたためられていた。
最初の二文を読んだだけで、だいたいのことは想像できた。
つまり、彼は、これを書いた人と浮気をした。
そして、我が家の前にサンドイッチを置いているのは、きっとこの人に違いない。
だってあの嫌がらせのサンドイッチは……
中身が毎回、必ず生ハムなのだ。
好きな人の家に嫌がらせをする、というのは理解しがたい行動ではあるけれど、相手が「片づけをするのはきっと奥さんだろう」と想定したのであれば、彼ではなく私への嫌がらせなのだろうと考えられる。
タロットカードの意味も、花言葉も、すべて私に向けられたものに違いない。


