結局、あの忌まわしい写真立ては谷本先生が預かってくれており、それに隠されていた秘密については、その後も翔さんには告げないままになっていた。

幸い彼はインテリアには無頓着で、出窓から写真立てが消えたことに気づいてもいないようだったし。


それ以降、我が家に不審物が送られてくることはなかった。

サンドイッチが玄関前に置いてあることは、ほんのときたま、あったけど……


そのころ、私は仕事で大きな転機を迎えようとしていた。

それまでずっと希望していた仕事を任せてもらえることになったからだ。

しかし、その内示を受けたまさにその夜のことだった。

もっと大きな転機が、翔さんに訪れるかもしれないことを聞かされたのは。