その夜、遅くに返ってきた翔さんが疲れた表情をしていたので、ますます疲労させることになるかと思うと、今日あった出来事を報告するのがためらわれた。

それに、あの写真立てが私宛てに送られたものだとするならば……

それはつまり、私が、誰かからそんな悪意を向けられるような人間なのだと伝えることになる気がして、それもまた、私の口を重くさせる一因だった。

「何かあった?」

相変わらず、彼は私の異変に敏感に気づいたけれど。

「なんでもないの。ちょっと、おもてなしの準備で頑張りすぎて疲れちゃったのかも」

そんな私の嘘にあっさりと騙されるくらい、その日は、彼も疲弊しているようだった。