「まぁ、その件については解決済みならいいけどさ。友里は鈍感なんだから、油断するなよ」

「えっ!? 私、鈍感なの!? どこが?」

「だって、俺が浮気してたこと、ずっと気付かなかったじゃないか」

「はぁ!? ほぼ最初から、ずーっと気づいてたっつーの!」

大きく脱力した私に、サトシがこんな提案をしてきた。

「あのさ、俺、今日帰りに友里の家まで送ってもいい? 友里の恋人に会ってみたい」

「帰りは、彼が迎えに来てくれるって言ってたから……」

「じゃあ、迎えに来たときに、ちょっと挨拶させてくれよ」