「まさかベッドの下を見られたなんて、気づかないだろ、普通」 いや、それだけの理由ではなくてさ。 「で、サトシは、その出来事が包容力の証だと?」 「そう。陰ながら友里のために努力する姿!」 それは包容力とは言わないと苦笑しながら指摘したあと 「でも……嬉しかったよ、とっても」 窓の外に目を向けて、そう告げた。 「……そっか」 信号が青に変わり、サトシはアクセルを踏み込んだ。