「でもさ、なんだかんだ言って、俺もけっこう包容力はあるタイプだよな」 「はぁ!?」 思いもよらなかった自己申告に、私は、ひざに抱えていたバッグを落としそうになる。 「どこがよ!?」 「なんだよ、あるだろ、包容力」 それは本気で言っているのかと、思わずサトシの顔を凝視してしまう。 「どこら辺に?」 「俺の友里に対する包容力は、表からは見えにくかったからな」 「表から見えにくい包容力ってなんなの」 苦笑する私に、サトシは 「今だから教えるけど」 コホンと得意げに咳をした。