「友里? どうかした?」

突然黙り込んだ私の顔を、サトシがのぞいてきた。

「……ううん。そうね、お茶しようか」




店に入ると、サトシはコーヒーを、私はウィンナコーヒーを注文した。

「友里は、またそんな甘いものを頼むんだから。太るぞ」

注文を終えると、サトシが苦笑しながらそんなことを言ってきたので、私は「あのねぇ」と小さく息を吐いた。

「サトシのそういうところ、好きじゃなかった」

「え?」

「私が何かを食べようとすると、イチイチそうやってケチをつけるじゃない? そういう風に言われるの、すごく嫌だったんだ、ほんとは」

サトシは一瞬、驚いた顔をして。

「そうだったんだ、ごめん」

素直に謝ってきた。

「分かればいいけど」

わざとツンとした表情をして見せた私を、サトシが驚いた表情で見つめてくる。