サトシはトランクを開けると、紙袋を取り出した。 そしてそれを、私の方に差し出してくる。 「友里、前より太ったからなー。あげていいか迷うけど、せっかく持ってきたから」 「なに?」 「お土産」 受け取って紙袋の中をのぞくと、中には二つの箱が入っていた。 「箱の一つは、俺が今住んでいるところの名産品。けっこう美味いよ、それ」 「へぇ」 そして、もう一つの箱は。 見覚えのある、金色の箱。