「例えば、いつか結婚したら――」 ふいに翔さんが口を開いたので、はっと我に返った。 「いつもこんなに美味しい料理が食べられるのかな」 そんな言葉に、私の頬はさくら色に染まる。 風に揺られた葉桜が、いくつかの花びらを私たちの上に舞い落す。 「俺さぁ」 翔さんが、私の頭に到着した花びらをつまみ上げながら、こんなことを口にした。 「いつか結婚しても、恋はずっとしていたいと思ってるんだよね」 予想外の言葉に、私は一瞬言葉を失った。 え…… それって…… どういう意味?