「谷本先生はかばってくれたけど……原因は俺ってことで、話は決着してしまって……」
「……」
「そのころからなんだ。ももちゃんの存在が俺の中で大きくなっていったのは。友里のことは大切に思っていたし、裏切るつもりもなかったけど……友里には話せないＭＲＳＡの一件をももちゃんは知っているから、慰めてもくれたし。ももちゃんの方が、話が合う気がしてきてしまったんだ」
サトシの瞳を見れば、この話が嘘でないことは分かる。
濡れ衣を着せられたという話をしているサトシの顔は、本当に悔しそうで。
それは、私が初めて見るサトシの顔だった。
