「何これ」

自宅に驚くほど大きな百合の花束が届いたのは、翌日のことだった。

贈り主はサトシ。

白百合の強い香りが部屋中に漂う中、私はサトシの言葉を思い出す。

「俺は絶対、友里とやり直す」

サトシは本気だったようだ。

私はサトシにメールを打った。


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気持ちは嬉しいけど、こういうの送らないで。
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すると翌日、サトシから赤い薔薇の花束が届いた。


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そういえば、友里の好きな花は、百合じゃなくて薔薇だったよな、ごめん。
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そんなメッセージカードが添えられていた。

私は、再びサトシにメールを送る。


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花の種類の問題じゃないの。もう送らないで。
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するとまた翌日、今度はピンクの薔薇の花束が贈られてきたのだった。


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そうだよな、友里の好きな色はピンクだったな、ごめん。
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だから、サトシ、そうじゃなくて! 

色の問題でもなくて!