「――そういえばこいつ、六年も付き合ったカノジョに最近振られたんだよ」

お酒が入ってみんなが饒舌になったころ、幹事の男性がふいに翔さんのことを指さした。

「そんな話、やめろよ」

翔さんが苦笑いをしながら止めるも、酔った男性が翔さんに絡む。

「ショックで五キロも痩せたって言ってたよな?」


五キロ。

それは、まさしく私がサトシに振られて痩せた体重と同じだった。

「何が理由で振られたんですか?」

思わず、そんな質問が口をついて出た。

言ってしまってから、立ち入ったことを聞いて失礼だったと後悔したけど、翔さんは穏やかに微笑んで答えてくれた。

「元カレとよりが戻ったんだって」