私がサトシから聞いた「真実」は、どこからどこまでが本当で、どこからどこまでがサトシの都合の良い作り話なのかは分からないけど、こういったものだった。


ももちゃんは、サトシと同じ科の看護師さんで。

サトシがある日、何気ない会話の中で、一人暮らしは掃除や洗濯が面倒だと愚痴をこぼしたところ、「やってあげましょうか」と言われたのだそうだ。

それは断ったものの、ももちゃんがある日

「今度、食事に連れて行ってくれませんか」

なんてアプローチをしてきて。

恋人がいるからと断ったものの

「同僚として食事するくらいならいいでしょう?」

そんな風に押されて。

何度か一緒に食事に行った後、彼女が、食事のお礼に面倒がっていた家事をやらせてくれないかと提案してきたという。