分かってるよ。
分かってたよ。
覚悟は出来てる。
出来てた。
私だって、もう別れるつもりだったし。
終止符を打つことで楽になりたいと思ったし。
だから、ももちゃんにも「元カノ」だって自ら言い切ったんだし。
なのに……
これから始まるのが別れ話なのだと決定的になって。
今更泣くはずないと思っていたのに、悔しいけど……
「……っ」
「頼むから泣くなよ、こんなところで」
私だって、泣きたくなんかないけど。
「マロンケーキ、食べれば?」
食べられるわけないじゃない。
サトシはほんの少し辛そうに顔をゆがめると
「……出よう」
立ち上がって、私の腕を取った。