谷本先生の質問には答えず、私は喫茶店を指差した。 「結衣子さんがそこの喫茶店で谷本先生のこと待っていますよ。私、後で行きますって結衣子さんに言ったんですけど、急用を思い出しました。行かれないって謝っておいてください。失礼します!」 ぺこりと頭を下げて、谷本先生とももちゃんの元から走り去る。 後ろで谷本先生が私を呼ぶ声が聞こえたけれど、振り向かずに走りつづけた。