「あれぇ? 友里ちゃん!」
そのとき、向かい合う私とももちゃんの横から声をかけてきた人がいた。
谷本先生だった。
「友里ちゃんとももちゃん……? なんで?」
そう尋ねてきたあと、谷本先生の表情が一瞬変わった。
おそらく思い出したのだろう。
かつて、スノボ旅行に行ったとき、私がサトシとももちゃんのことについて「仲いいんですか」と質問したことを。
「あの……」
何と答えれば良いか分からず口ごもった私に代わり、ももちゃんが涼しい笑顔で答えた。
「こちら、サトシ先生の元カノさんですよね。写真を見せていただいたことがあります」
「友里ちゃんが元カノ? なんで元カノ? 『元』じゃないだろ」
困惑した顔で私を見つめてくる谷本先生。
私は谷本先生から視線をそらした。
「元カノです。サトシとは、もう別れました」
「えっ、別れたって、いつ!? 聞いてないよ、それ本当?」


