どうしてももちゃんに対してそんな嘘をついたのか。
それは、「傷つくのは私一人でたくさん」だとか、「せめてももちゃんだけでも幸せに」だとか、そんな気持ちから出たものではない。
もしも、私が今でもサトシのことを100%の気持ちで好きだったとしたら……
絶対に引かなかったと思う。
「元カノじゃありません。まだ別れていません!」
そう反論したと思う。
でも、私はもはやサトシのことをそこまでの気持ちでは想えなくなっていたし。
それどころか、今後サトシのことを心から信じることなど、絶対に出来ないと思うから。
この関係に終止符を打つことで、楽になりたかったのかもしれない。
もう疲れた。
ほとほと疲れた。
ももちゃんに会いに来て、実際に会ったことで、私のエネルギーは使い果たされたようだった。


