ももちゃんが私の顔を知っていることに一瞬動揺したけれど、次に続いた彼女の言葉で納得した。
「サトシ先生の部屋で、友里さんの写真、見ました」
そうか。
私がももちゃんの写真を見つけたように、きっとももちゃんも私の写真を見つけたのだ。
「あの……」
少し冷静さを取り戻した私が口を開こうとしたところ、ももちゃんが私に、予想外の言葉をかけてきた。
「サトシ先生の元カノさんが、何の用ですか?」
……元カノ?
なんでよ、元カノなんかじゃないわよ、現在進行形よ。
そう言い返そうと思ったものの
「何の用ですか!?」
矢継ぎ早に質問を繰り出すももちゃんの迫力に押されてしまった。
「あ、あぁ、あの……」
とまどって少し口ごもったけれど、バッグを握る手に力を込めて、努めて冷静を装って言葉を続けた。


