夕方から雨、という今朝見た天気予報が間違いなく当たりそうな、暗くて重い雲が広がる午後。

私は、病院の正門が見渡せる喫茶店でももちゃんを待っていた。

しかし、彼女がいつ来るか分からないうえ、病院の出入り口は正門だけではないという、会える確率はかなり低い待ち伏せだった。


その喫茶店は、客が私しかいなかったためかとても静かな雰囲気で、居心地は良かった。

しかし、客がいないだけに、店内に二時間もいれば居づらくなってくる。

二時間ほど粘って、観念して外に出た私は、病院の近くをブラブラと歩いて待つことにした。

しかし、いつ来るかも分からない相手をブラブラと歩きながら待つのはとても大変なことで――

「今日はもう帰ろうかなぁ」

諦めて帰ろうとした、そのとき。

「友里ちゃん」

背後から女性の声がした。

振り向くと、結衣子さんが立っていた。

「結衣子さん!」

「友里ちゃん、サトシ先生と待ち合わせ?」

「あ……えぇ、まぁ……」