それにしても、これは一体どういうシチュエーションなのだろう。ももちゃんがサトシの携帯で、私に電話をかけてくるとは。
「友里さんにお話があるんですけど」
ももちゃんの言葉に、私も落ち着いて答える。
「私もあなたとお話したいと思っていました」
私の返事を聞いたももちゃんは、一瞬沈黙して。
それから、「あの……」と口を開いたのだけど――
「おい、何やってんだよ！ どこにかけてるんだよ！」
「あっ」
「勝手にかけるなよ」
「だって……」
電話の向こうから、サトシとももちゃんが言い争う声がかすかに聞こえてきた。
それから、ガチャンと電話が床に落ちたのであろう音が私の耳に響いてきて。
直後に電話は切られたのだった。
