【完】 After Love~恋のおとしまえ~

「落書きじゃないよ。だってこのお茶碗、私専用なんでしょ? 嬉しいから、名前を書いておいたの。何か問題ある?」

「いや……別に、何も問題はないけど……」

これでもう、ももちゃんはこのお茶碗、使えないね。

ふん、残念でした!


食器棚にそれを戻すと、ふと、ベランダに干してある洗濯物が目に入った。

いつもと何かが違う気がして、私はベランダに向かう。

「どうした、友里?」

「……」

近寄ってみたところ、何が違うのか分かった。

干し方だ。

いつものサトシの乱雑な干し方とは、明らかに違う丁寧な干し方。

これは、つまり……

洗濯も。

洗濯すらも。

サトシはももちゃんにやってもらっているということか――